土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

平成29年度予算特別委員会(第3日目) 本文開催日:2017.02.28

◯委員(土屋 準君)  総務費におきましては、初めに青色防犯パトロールでの音声の活用について、お伺いいたします。
 青色防犯パトロールはみんなとパトロール事業の中の業者委託パトロールで、犯罪を未然に防止する目的で民間警備会社に委託し、24時間体制で実施しているほか、道路や公園などにおける施設の点検、違法放置物等の報告・撤去等、あるいは看板等不法占用物件の確認、みなとタバコルール等の啓発業務や区有施設での事件・事故対応等の業務を行っているということでございます。
 ところが、よく聞くのですけれども、青色防犯パトロールは車両が走っている姿は見かけるが、ただ走っているだけで音声を発している場面は見かけないというような声を聞きます。そこでまずお伺いしますが、青色防犯パトロールでは現在音声での啓発業務はどのように行っていますでしょうか。

◯芝地区総合支所協働推進課長(金田耕治郎君)  青色防犯パトロールでは、車両に積載した拡声器を使用し、停車中または走行中にあらかじめ録音した内容をアナウンスする方法により、さまざまな広報活動を実施しております。具体的には、年金支給日の前後に住宅地を巡回し、振り込め詐欺防止の注意喚起を行ったり、繁華街で客引きがあらわれる場所を中心に客引き防止の周知を行うなど、啓発内容や周囲の道路状況などを踏まえまして、適時適切に実施しております。

◯委員(土屋 準君)  さまざま行っていると思いますけれども、何となくとまっている間に音声を発しているというイメージがあるのですが、パトロール全体の時間の中でやはり走行している時間が長いと思いますので、そういった間もっと音声を発するようにして有効に活用できないかと思っております。そういった場合、うるさいという意見も出るかもしれませんけれども、大音量でする必要はないと思いますし、走行中でしたら一時的にうるさくでもずっと同じ場所にいるのではなく、すぐに移動してしまうものですので、ずっとその場でうるさいということもないのではないかと思います。
 逆に、音声が聞こえることで、よくやっているという印象を与えるかもしれません。また、音声ですと、遠くでも聞こえるメリットもあるのではないかと思います。また、さまざまな効果も高くなるのではないかと思います。例えば、今出ました振り込み詐欺やひったくり対策、そういったものに関しましても、音声が聞こえてくれば気をつけようという気も出てきますし、みなとタバコルールも巡回指導員が周りにいなくても、音声が聞こえれば遠くからでもわかるのではないかと思います。また、そういった活動を通して、区が呼びかけたい内容というのをアピールできる機会が増えるのではないかと思います。
 そこで質問ですけれども、青色防犯パトロールの車両が走行しているときもみなとタバコルールや客引き防止、あるいは振り込み詐欺被害防止などさまざまな広報活動に積極的に活用していけないかと思いますが、いかがでしょうか。

◯芝地区総合支所協働推進課長(金田耕治郎君)  青色防犯パトロールの走行中のアナウンスについては、広い地域でより多くの人に対して広報活動を行えるメリットがございます。一方で、車両が移動しながら広報を行うため、内容が聞き取りにくかったり、聞きづらさを解消するために音量を大きくすると騒音として捉えられてしまう可能性があることなど課題もございます。走行中の広報活動にあたっては、実施による効果や区民の生活環境への影響にも十分配慮する必要がございますが、啓発内容や緊急度に応じ実施場所や時間帯を工夫して実施するなど、今後も青色防犯パトロールの積極的な活用を検討してまいります。

◯委員(土屋 準君)  ぜひ積極的な活用を検討していっていただければと思っております。
 次は、家庭に関するテーマを取り上げたいと思っております。私は、社会を構成する基礎というのは家庭であり、家庭を重視した施策を進めることが大切だと思っております。一方で、家庭崩壊の時代を迎えるのではないかという危機感もありますので、これから取り上げていきたいと思っております。
 まず、婚姻届等の様式についてお伺いいたします。奈良県生駒市では、昨年12月20日からオリジナル婚姻届というのを作成しております。これは通常の婚姻届の書式に便箋部分がついていまして、それぞれ夫から妻へのメッセージ、妻から夫へのメッセージという欄があって、婚姻届を提出する際に届出書のミシン目に沿って点線部分を切り離して、お互いに宛てた手紙をそれぞれ書いて、封筒に82円切手を張って宛先を記入して自分で封をして、そして婚姻届と一緒に提出すると3年後にその手紙が郵送されてくるというものであります。3年後にどうなっているかという不安はありますけれども、生駒市は3年後に味わう相思相愛、人生をともに歩み始める2人が結婚をより思い出に残るものにするため、思いを交わす婚姻届を作成したとしまして、結婚したときの思いや愛情を互いに文字に残し、新生活が落ち着いてきたころに結婚当初の新鮮な気持ちを振り返りながら思いを交わしましょうと呼びかけております。非常にユニークな試みだと思います。
 そこでまずお伺いしますけれども、こういった婚姻届やあるいは出生届といったものは自治体でどの程度自由に様式を設定できるものなのかお伺いいたします。

◯芝地区総合支所区民課長(上村 隆君)  婚姻届や出生届は戸籍法で掲載すべき事項が定められております。記載すべき事項が全て網羅されていれば記載欄以外の紙面の色やデザインなどについては特段の制限はございません。

◯委員(土屋 準君)  決まっていることが書いてあれば制限はないということです。
 婚姻届や出生届の提出というのはやはり人生の節目になるものではないかと思っております。特に婚姻届の提出は、これから家庭を出発するという喜びや重みを感じたり、決意をする機会になるのではないかと思っております。そのようなときにオリジナル婚姻届というものがあれば、より思い出に残るものになるのではないかと思います。
 そこで質問ですけれども、港区もそういったオリジナルの婚姻届等を作成してみてはいかがかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

◯芝地区総合支所区民課長(上村 隆君)  出生届は、出産した病院等で作成している届出書を利用することが多いため、自治体で独自に作成するケースは少ないですが、婚姻届については自治体やブライダル関連の企業等で独自の様式を作成するケースが見受けられます。
 一方で、届出書の装飾等によりまして、受け付けや審査をする際に行うチェックや自治体間での確認用のメモ書きをするスペースがとれないなどの不具合や、記入しても見えづらいなどのことから、事務処理上のトラブルも発生していると聞いております。
 区では、平成27年10月から港区に婚姻届を提出された方へのお祝いの気持ちを表するために、幸せのMARRYブースを設置して、利用者アンケートの結果、好評を得ております。区独自の婚姻届を作成することについても、届け出をより思い出深いものにする効果があり、有意義な取り組みだと考えます。したがいまして、このような事務手続の際のトラブルや事故等が発生しないような形での区独自の届出書を作成する方法はないか検討してまいります。

◯委員(土屋 準君)  ありがとうございます。ぜひいろいろな課題を踏まえて検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、多様性の理解についてお伺いいたします。
 東京都は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、世界一の都市東京の実現を目指しております。2014年12月に改正されたオリンピック憲章のオリンピズムの根本原則から、あらゆる差別の中に性的指向が明記され、東京2020大会を迎える日本でも向き合うべき課題と言えます。
 そこで、その課題について考えてみたいと思います。ある訴訟の例があるのですけれども、心と体の性が一致しない性同一性障害と診断され、戸籍上は男性だが女性として勤務するある職場の職員が、女性用トイレの使用制限など差別的処遇を受けたとして、処遇改善の訴訟、損害賠償を求める訴えを起こしたという点があります。この職員は女性として勤務したいと申し出ていたのですが、上司や人事担当者が同僚女性の、要するにほかのもとからの女性の方々の同意がなければ女性用トイレの使用を認められないということで、障害者用トイレですね、いわゆるだれでもトイレを使用するように求めたということであります。しかし、この職員はそうではなくて、他の女性と同じように女性トイレを使わせてほしいということで訴えているということであります。
 そのような中で、文京区では文京区男女平等参画推進条例で性的指向及び性的自認を含めて、性別に起因する差別的取り扱いや人権侵害の禁止を規定し、性自認及び性的指向に関する対応指針の作成に取り組んでいるということです。この中で、トイレ、更衣室等の設備利用を巡っては、利用者の意思をなるべく尊重しながら他の利用者との調整をどのように行うか等についてあらかじめ考えておく必要があるとだけしてありまして、どのようにすべきかは示しておりません。
 そこでお伺いしますが、例えばトイレや更衣室などの利用について当事者への配慮も必要だと思いますけれども、他の利用者への配慮も必要だと考えます。区はどのように考えていますでしょうか。

◯人権・男女平等参画担当課長(中島由美子君)  これまでに区が性的マイノリティへの配慮をした事例としては、生活保護受給者の当事者が病院へ入院するにあたり個室対応したものがあります。また、港区スポーツセンターにおいては、当事者からの申し出があった場合は個室の更衣室をご案内できるようにしており、いずれも当事者の意向を尊重しながら、周囲の方へも配慮をするための対応です。
 こうした対応事例や各課における取り組みについて、庁内関係部署による港区人権関係行政連絡会において情報の共有や意見交換を図るとともに、当事者を含む区民の皆さんのさまざまな声を聞きながら、誰もがお互いを尊重し合える地域社会を目指してまいります。

◯委員(土屋 準君)  それから、偏見に基づくいじめやからかいをなくすということは必要であると思いますけれども、何を偏見とするかは課題があると思っております。例えば、同性愛という関係に対し違和感を覚えるという人もおります。区では昨年12月、人権週間記念の講演と映画の集いを開催しました。パレードへようこそという同性愛者の活動を取り上げた映画が上映されましたけれども、その中で男性同士が抱擁し合っているような姿を見るのは生理的にとても受け付けられないというような意見もありました。
 そこでお伺いいたします。こういった感情が出てくるというのは自然の反応であって、それを偏見としたらむしろ精神的苦痛を与えることにならないかとも考えますが、区はどのように考えていますでしょうか。

◯人権・男女平等参画担当課長(中島由美子君)  性的マイノリティに関する意識啓発の一環として、当事者を招いた講演会とイギリスの実話をもとにした同性愛者の映画を上映しました。実施後のアンケートでは、マイノリティの方の実情が理解できた、自分らしく生きることの大切さを個人や社会全体で尊重しなければならないと感じたなどの意見が多く寄せられた一方、なかなか理解するのが難しいが認めていかなければならないといったご意見もありました。今後も区は一人ひとりが抱くさまざまな考え方や感情に配慮しながら、多様な個性を認め合い、全ての人が尊重される社会を目指し、あらゆる機会を捉えて意識啓発に取り組んでまいります。

◯委員(土屋 準君)  いろいろ課題も多いと思いますので、ぜひよく検討していっていただきたいと思っております。
 今後は、例えば同性カップルが子どもが欲しいというような課題も出てくるかもしれません。そういったときには今度は子どもの立場はどうかということも考えることが必要になってくるのではないかと思っております。その際は、ぜひ子どもの立場を第一に、すなわち子どもファーストで考えるべきだと思っております。
 以上で質問を終わります。

◯委員長(池田こうじ君)  土屋委員の発言は終わりました。

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