土屋 準(つちや じゅん) 議会報告

定例会報告

令和3年度決算特別委員会-09月26日

○委員(土屋準君) 民生費におきましては、児童相談所に一時保護中の児童の支援についてお伺いいたします。
 令和3年度は、港区の児童相談所が、子ども家庭支援センター及び母子生活支援施設との複合施設である港区子ども家庭総合支援センターの一部として開設されまして、現在、1年余りがたちました。児童相談所については、私も開設時に質問に取り上げさせていただきましたけれども、必要となる専門人材の確保、育成、あるいは地域の関係機関との協働、ハートフレンド事業ボランティアとの協働などを取り上げさせていただきました。
 今回は、児童相談所に一時保護中の児童の支援について質問させていただきたいと思います。
 一時保護は、児童相談所の重要な役割だと思いますが、子どもの安全を迅速に確保し、適切な保護を図るとともに、子どもの心身の状況、その置かれている環境やその他の状況を把握することを目的とするとされております。一時保護所は、子どもにとっては家庭の役割を果たす場になり、家庭的な温かい環境の中で子どもに寄り添う支援を行うことが願われていると思います。ただ、一時保護中であっても学習の機会の保障は行っていかなければなりません。しかし、子どもの状況や特性、学力がまちまちですので、保護中は子ども一人一人に合った支援が大切なのではないかと思います。
 そこで質問ですが、子どもの状況や特性、学力に配慮した学習の機会の保障をどのように行っているのでしょうか。

○児童相談課長(中島由美子君) 一時保護所内では、教員免許を有する学習指導員が一人一人の学力や学習の進み具合に合わせて個別の学習を行っております。一時保護解除後に児童が通学を再開する際、スムーズに学習を行えることなどを見据え、担当の児童福祉司と児童の在籍校とで連携し、学校が準備した教材や課題、オンライン授業などを受けられるように工夫しております。
また、一時保護の理由、家庭の状況、子ども自身の意見等を総合的に判断し、可能な場合は通学の支援を行うことで学習の機会を保障しております。
令和3年度は3名、令和4年度はこれまでに7名の児童が一時保護所から在籍校へ通学し、学校行事への参加や定期試験を受けております。
今後も一人一人に合った丁寧な学習支援を行ってまいります。

○委員(土屋準君) 子ども一人一人に合った学習の支援をされているということで、ありがとうございます。
一方、子どもにとっては学習だけが全てというわけではないと思います。子どもの権利条約第31条においては、休み、遊ぶ権利が保障されております。一時保護所での生活においても、スポーツ等のレクリエーションや、あるいは読書とか音楽などの文化芸術に触れる環境を提供することなども必要なのではないかと思われます。
そこで質問ですが、限られた環境の中で、子どもたちが安定した生活を送れるよう、レクリエーションプログラム等をどのように工夫して取り組んでいるでしょうか。

○児童相談課長(中島由美子君) 一時保護所では、子どもの安全を守るため、外部との関わりについて一定程度の制限はありますが、季節を感じ、日々の生活に潤いを与えられるよう、七夕、夏まつり、節分など、様々な行事を実施するほか、遠足や買物など、可能な範囲で外出の機会を設け、子どもならではの経験を広げられるよう活動内容を工夫しております。
NPO法人等の協力により、子どもたちが音楽、美術、ダンスなどを楽しむ機会を設けています。白い布に絵を描いてテントを作成する活動では、部屋の照明を全て消し、完成したテントの中に電気を一斉に点灯すると、子どもたちから大きな歓声が上がりました。
また、一時保護所の職員だけではなく、相談業務の職員も参加して、子どもと職員の対抗戦で開催しているスポーツやボードゲームの大会は、子どもたちにとって、楽しみながら協力し合う場となっております。
今後も子どもたちが興味を持って参加でき、喜びや楽しさが感じられるプログラムを実施し、安定した生活が送れるよう工夫してまいります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。子どもの成長にとっては、学習の機会も大事ですけれども、遊ぶこととか、そういったことも大切だと思いますので、家庭的な温かい環境が醸成できればというふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
次に、高齢者の虐待対策についてお伺いいたします。
子どもの虐待対策については、児童相談所が整備され、対応が進められているのではないかと思いますけれども、高齢者の虐待対策は、あまり現状や対応が知られていないのではないかと思いますので、今回取り上げさせていただきました。
そこで、まず質問ですが、高齢者の虐待件数の推移はどのようなものでしょうか。
また、内容はどのようなものがありますでしょうか。

○高齢者支援課長(鈴木雅紀君) 高齢者の虐待相談通報受理件数は、令和元年度が59件、令和2年度が68件、令和3年度が90件と増加傾向にあります。また、そのうち虐待と確認した件数は、令和元年度が17件、令和2年度が9件、令和3年度が17件です。
なお、虐待の内容としては、身体的虐待、心理的虐待、介護等の放棄、経済的虐待及び性的虐待があります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。高齢者の虐待件数の相談、最近だんだん増えてきているようですし、内容も様々なようです。
港区の対応としては、区の高齢者支援課、各地区総合支所の区民課保健福祉係、高齢者相談センターが連携し、訪問調査、情報収集、収集した情報を基に虐待の事実確認と支援方針の検討、虐待の有無の判断、認定、支援方針の決定、行政権限の行使の判断といった流れで行っているようです。内容も様々なようですので、ケース・バイ・ケースのところもあるかと思いますけれども、相談、通報等のケースに対して、区としての対応にばらつきがあってはならないのではないかと思っております。
しかし、高齢者の虐待に関しては、区の高齢者支援課では、各地区総合支所の区民課、高齢者相談支援センターなど、関係機関も複数ありますし、職員の経験もまちまちなのではないかと思いますけれども、虐待の相談、通報に対して、対応する部署や職員によって差が生まれないよう取り組んでいく必要があると思います。
そこで質問ですけれども、高齢者の虐待について、どのような点で留意して対応しているのでしょうか。

○高齢者支援課長(鈴木雅紀君) 区は、実際に起こった虐待事例などについて、高齢者支援課、各地区総合支所区民課、高齢者相談センターなどの関係職員間で定期的に情報共有を図るとともに、対応の際の留意点などを確認し、同様の事例に対し統一的な対応がとれるよう取り組んでおります。
また、虐待の事実確認や認定、支援方針の決定などに当たっては、判断に偏りが出ないよう、虐待対応とその支援に関わる職員間で協議し、決定しております。
さらに職員が虐待事例に関して幅広い知識を持ち、様々なケースに的確に対応するため、虐待対応に当たる職員を対象に毎年実務研修を実施しております。取扱い事例の多い内容や困難事例を研修メニューで取り上げるなど、実践に即した研修カリキュラムとし、職員の資質向上に取り組んでおります。

○委員(土屋準君) ありがとうございます。少子高齢化と言われていますので、これからこういった件数が増えていくのではないかと思いますので、ぜひ区のほうでもしっかりと対応していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
福祉総合窓口については、他の委員も取り上げておりますので、別の機会に取り上げたいと思っております。
以上で質問を終わります。

○副委員長(清原和幸君) 土屋委員の発言は終わりました。

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